スモーリー リテーニング リング アッセンブリの荷重容量を理解するには、リングせん断および溝変形の両方の計算が必要で、設計限界は小さい方の値になります。 荷重容量計算式では、動的または偏心荷重を考慮していません。もしこのタイプの荷重が存在する場合、適切な安全係数を適用して、製品試験を実行する必要があります。さらに、溝の形状およびエッジ マージンも考慮する必要があります。 作動条件が過酷な場合、正確なリング性能は実際の試験を通して最も良く確定できます。
スモーリー リテーニング リングでは一般的に起こる問題ではありませんが、リングせん断は溝の素材として硬化スチールが使用されている場合に設計制限となる場合もあります。リングせん断をベースとしたリング推力荷重容量は、弊社の標準リングのテーブルに記載されています。これらの値は、カーボン スチールのせん断強度を基にしており、推奨安全係数は 3 です。
リングせん断を基にした推力荷重は、溝変形を基にした推力荷重と比較して、どちらを設計の制限要素とするかを決定する必要があります。
PR = リングせん断を基にした許容推力荷重(ポンド)
D = シャフトまたはハウジング直径(インチ)
T = リングの厚さ(インチ)
SS = リング素材のせん断強度(psi)
K = 安全係数(3 を推奨)
溝変形は、リテーニング リングのもっと一般的な設計制限です。恒久的な溝変形が起きると、リングがねじれ始めます。ねじれの角度が大きくなるにつれ、リングの直径が増大していきます。最終的に、リングは皿状に変形し、溝から押し出されます (転がり出る)。保守的な解釈として、以下の計算式で初期の溝の変形点が計算できます。これは、不具合を起こす点よりも、格段に低い点です。2 の安全係数を取ることが推奨されます。溝変形をベースとしたリング推力荷重能力は、弊社の標準リングのテーブルに記載されています。
一般的な溝素材降伏強度 |
|
硬化鋼 8620 | 110,000 psi |
冷間引抜き鋼 1018 | 70,000 psi |
熱間圧延鋼 1018 | 45,000 psi |
アルミニウム 2017 | 40,000 psi |
鋳鉄 | 10 ~ 40,000 psi |
PG = 溝変形を基にした許容推力荷重(ポンド)
D = シャフトまたはハウジング直径(インチ)
d = 溝の深さ(インチ)
SY = 溝素材の降伏強度(psi)
K = 安全係数(2 を推奨)
シャフトまたはハウジング直径 | 溝の底での最大半径 |
1 インチ以下 | 最大 .005 |
1 インチより大きい | 最大 .010 |
最大荷重容量を保証するには、溝および保持されるコンポーネントのそれぞれの角が直角である必要があります。さらに、保持されたコンポーネントは、保持された部品に対して均一な同心荷重を保持するために、リングの溝に対して垂直である必要があります。溝の底の半径は、テーブルの記述よりも大きくてはいけません。
最大面取り = .375(b-d)
最大半径 = .5(b-d)
理想的な保持部品は、角が直角で、できる限りハウジングまたはシャフトに近い部分でリングに接触します。保持部品で許容される最大推奨半径または面取りは、左の計算式で計算できます。
b = リング幅(インチ)
d = 溝の深さ(インチ)
シャフトまたはハウジングの端の近くに配置されたリング溝は、強度を最大化する十分なエッジ マージンを持っている必要があります。せん断および曲げの両方を確認して、大きい値のほうをエッジ マージンとして選択します。原則として、最小エッジ マージンは、溝の深さの 3 倍の値で近似されます。
z = エッジ マージン(インチ)
P = 荷重(ポンド)
DG = 溝直径(インチ)
SY = 溝素材の降伏強度(psi)
d = 溝の深さ(インチ)
K = 安全係数(3 を推奨)
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